薬剤科

薬剤科

私たちは、循環器専門病院の薬剤師として循環器分野はもちろんのこと、薬剤師としてできること全てに日々尽力しています。調剤業務、病棟薬剤師業務をはじめ、術前休薬確認等の外来業務や麻酔薬調製等の手術室業務も行い、看護師業務タスクシフトの一助となっています。また、多職種連携にも力を入れ、せん妄・認知症ケアチームにも薬剤師が関わっています。医薬品情報室業務も迅速で的確な薬剤情報提供ができるような体制を構築し業務を行っています。
 病院薬剤師の役割と業務は年々増加していますが、その一方でワークライフバランスもとても大切な問題です。そこで私たちは「職場環境を良くする」ことを目標にかかげています。教育プログラムを構築し新卒・既卒問わず安心して働ける環境つくり、子育て世代の薬剤師も働きやすい職場つくり、仕事をしながら自己研鑽も叶えられる職場つくり、全薬剤師が求める理想の職場環境つくりを目指していきたいと考えています。

いつでもお気軽にご連絡・お問合せください。
お待ちしております。

薬剤科 業務紹介


循環器病棟 病棟業務 | ICU 病棟業務 | 認知症ケアチーム(DCT) 病棟業務
TDM(薬物治療モニタリング) | DI業務 | 周術期薬剤管理業務
感染対策(ICT、AST) | NST | BLS

▼循環器病棟 病棟業務
循環器の薬は、患者さまの年齢・体格・腎臓の機能・併用薬などにより、量の調整が必要になるものが多いため、検査値による投与量一覧、体重投与量換算表などを作成し、いつでも適正な投与量が提案できる準備をしています。また、多職種でカンファレンスを行い、ハイリスク薬の副作用注意喚起などの情報提供や他職種の意見・情報を取り入れた薬の調整を行っています。当院での処方頻度が高く、注意が必要な抗凝固薬や心不全治療薬の説明には特に力を入れており、要点をまとめたパンフレットを作成し、大切な情報を分かりやすく伝えられる工夫をしています。

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▼ICU 病棟業務
集中治療室(ICU)では患者さまの病態変化が速く多様であるため、その時にあった薬物療法の選択が重要です。そのため担当薬剤師は、毎朝多職種で行われるICUカンファレンスに参加することや、都度医師・看護師と協議を行うことなどで、安全かつ効果的な治療薬選択の補助と治療薬使用後の効果や副作用の確認を行っています。また集中治療が必要な患者さまには注射薬が多く使用されるため、ICUに配置している注射薬の管理や注射薬の混注業務、配合変化の情報提供などチーム医療の一員として薬剤師の職能を活かした業務を行っています。

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▼認知症ケアチーム(DCT) 病棟業務
当院では認知症ケアチーム(DCT)として看護師、介護福祉士、薬剤師で構成されたメンバーで定期的に各部署における認知症・せん妄患者さま、またはそのリスクがある患者さまに対する療養環境とケアの検討・共有を行っています。また、その他に認知症ケアに関する知識と技術の向上を目的として症例検討会や勉強会を実施しています。チームの一員として薬剤師は、せん妄の原因となる薬剤の確認を行い、せん妄が疑われる場合は患者さまの情報を得た上で薬剤の変更や中止提案、適切な薬剤の処方提案、介入後の評価を行っています。

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▼TDM(薬物治療モニタリング)
TDM(Therapeutic Drug Monitoring)とは個々の患者さまに適した投与設計を行い、安全で有効な薬物療法を行うためのモニタリングをいいます。循環器の薬や抗菌薬など一部の薬には、個人にあった最適の投与量を調べるために、血中の薬物濃度測定が必要なものがあります。投与量が適切でない場合、期待する効果が得られない、あるいは副作用が生じやすくなることがあるからです。当院では薬剤師が血中濃度の測定依頼やシミュレーションを行い、血中濃度や検査値などから総合的に評価し薬物投与計画の立案を行っています。また、外来で抗不整脈薬を服用されている患者さまについては、薬剤師が定期的に投与量の調節が必要ないか確認をしています。

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▼DI業務
医薬品情報(Drug Information:DI)は常に新しい情報へと更新されるため、薬剤師は自発的にDIの収集に努めなければいけません。当院で行われているDI業務は、適切かつ安全に医薬品が使用できるように日々更新されるDIの収集を行い、その情報を加工して院内だけでなく院外への提供も行っています。また医師や看護師、その他の医療スタッフからの問い合わせに対する応対を行うだけでなく、問い合わせ内容や病棟薬剤師とのカンファレンスを通じて浮かび上がった問題に対してDIを活用し、業務改善を図るよう取り組んでいます。
代表的なDI業務としては院内向けにDI-NEWSを発行しており、最近の医薬品トピックスや院内からの要望に応じた特集記事、添付文書改訂内容、採用変更並びに包装変更について記事を掲載しています。また院内の月毎の副作用発生状況や病棟介入内容、医薬品に関する重要な安全性情報、院内における医薬品の使用状況について掲載された「医薬品情報室だより」を各部署へ配布しています。院外への情報提供として院内の採用薬情報や薬剤変更・中止情報提供書、患者さま説明用資料について病院ホームページに掲載しています。

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▼周術期薬剤管理業務
当院では心臓や血管の病気に対して抗血小板薬や抗凝固薬などの「血をかたまりにくくする薬」が処方されている例が多く、手術の際は出血トラブルを減らす目的でこれらの薬をお休み(休薬)する必要があります。そのため外来診察時に担当薬剤師が医師と共に服用薬をチェックし、休薬する薬がある場合は担当薬剤師が直接患者さまへ説明を行っています。さらに、多職種による術前カンファレンスの参加や、輸血用血液製剤の管理、手術室の薬品管理などで、薬剤師の専門性を活かした周術期のサポートを行っています。

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▼感染対策(ICT、AST)
当院は病床数145床の中小病院ですが感染対策向上加算1を算定しています。このため感染制御チーム(ICT)の医師、看護師、薬剤師、検査技師の4職種が週1回感染症患者さまを対象にラウンドを行い、抗菌薬使用の評価や感染対策の指導など適宜介入を行っています。さらに月1回環境衛生のラウンドを行い、院内感染対策の現状把握と改善指導を行なっています。また抗菌薬適正使用支援チーム(AST)として敗血症など特定の感染症や抗菌スペクトラムの広い広域抗菌薬などを使用している患者さまに対して、感染早期から介入を行っています。薬剤師はこれらICT、ASTの活動を通じて感染症患者さまに使用されている抗菌薬の種類や投与量の妥当性や適切な検査の実施状況などを評価し、その結果をチームとして適宜主治医へフィードバックしています。またラウンド時には主治医も同席していることもあるため、抗菌薬の選択や投与量の設計依頼を受けることもあり、タイムリーに抗菌薬への介入ができるとともにTDMや検査などの依頼を行うことができています。これまで行ってきた薬剤師の活動により、入院内外を問わず医師から抗菌薬の選択や投与量についての相談を受けるようになり、チーム医療の一員として薬剤師がより関われる環境となっています。

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▼NST
当院では栄養サポートチーム(NST)として週1回の回診を行っております。薬剤師も回診に参加し、医師・看護師・管理栄養士・理学療法士・MSWと協力し合い患者さまの栄養管理に携わっています。NST薬剤師として患者さまが食欲不振の原因となるような薬を服用していないか、薬の投与量が適切か、飲みこみにくい薬はないかといった点を中心に確認しています。日常業務の場でも静脈栄養、経腸栄養プランの立案や食欲不振、嚥下障害など栄養障害に関連する薬について積極的に介入しています。

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▼BLS
私は薬剤師という立場ではありますが、循環器病院の一職員として患者さまの急変や心停止に速やかに対応出来るよう、医療従事者のための蘇生トレーニングコースであるICLS(Immediate Cardiac Life Support)を受講し、毎年院内全職員を対象として行う一次救命処置(BLS:Basic Life Support)講習に講師の一員として参加しています。このような経験が出来ることは当院ならではの特色だと考えています。

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薬薬連携

薬薬連携の取り組みとして、採用薬情報と「薬剤変更・中止情報提供書」の運用について公開しています。
採用薬情報
 採用薬(内服・外用) [Excelファイル:67KB] (2022年8月)
 採用薬(内服・外用)【一般名処方】 [Excelファイル:29KB] (2022年8月)


薬剤変更・中止情報提供書
 入院前の内服薬を入院中に変更又は中止した場合、患者さま又はご家族等の同意を得たうえで「薬剤変更・中止情報提供書」によりその理由や変更又は中止後の状況を調剤薬局さまへ提供させて頂いております。




患者さま説明用資料

特に注意を要する薬(ハイリスク薬)の説明を行う際に、当院で作成した説明用資料を配布しております。
無断転用は禁止です。私的利用に限りダウンロードが可能となっております。


抗凝固薬
イグザレルトOD、エリキュース、プラザキサ、リクシアナOD、ワーファリン

抗不整脈薬
アミオダロン

副腎皮質ステロイド
プレドニン

心不全治療薬
SGLT2阻害薬、エンレスト、トルバプタンOD錠7.5mg「TE」

お薬服用時の注意
「お薬を服用するときに注意すること グレープフルーツ編」


▼ 抗凝固薬
▼ 抗不整脈薬
▼ 副腎皮質ステロイド
▼ 心不全治療薬
▼ お薬服用時の注意


入院中のお薬について

入院決定時にお渡しする入院案内に、入院時にお持ち頂くお薬とその使用・取り扱いについての資料を添付しております。